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書評要約「ウイスキーと私」ニッカウヰスキー創業者竹鶴政孝の人生

今夜もようこそ、バーライフへ。

本日は日本ウイスキーの生みの親として有名な、竹鶴政孝氏の自伝

「ウイスキーと私」(NHK出版)

をご紹介いたします。

ウイスキーと私
ウイスキーと私
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竹鶴 政孝
NHK出版
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概略を簡単にご紹介します。(ネタバレするのでご注意)

日本酒のつくり酒屋に生まれ、ウイスキーに魅せられた竹鶴氏が、
日本ウイスキーを生み出すという運命に引き寄せられるように、
次々と宿命的な人生を歩んでいく流れが、自伝として描かれています。

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竹鶴氏自身も、人生と運命の関係には二つの型があるのではないかと述べており、
一つは自分の運命に挑戦して生きていくにしても、ほとんど自分の力でそのとびらを切り開いていく型と、もう一つは周囲の人の好意や協力で、自分の進む機会が与えられ、とびらの方から、おのずと開いていってくれる型であり、竹鶴氏自身は後者に属すると述べています。

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二人の兄が家業を継ぐのをいやがり、譲造学を修めることになったこと、
摂津酒造の阿部喜兵衛社長が日本での本格ウイスキーづくりを決意され、スコットランドへの留学につながったこと、
英国でのグラスゴー大学のウイリアム博士、イネー博士、グラント工場長などの協力により本場のウイスキーづくりの知識と、工場での実践的経験が得られたこと、
政治的時代背景としての日英同盟、
寿屋(サントリーの前身)の鳥井社長のウイスキーづくりへの決断と竹鶴氏への信頼から生まれた山崎の工場、、、
多くの機会とそれを生かした竹鶴氏の人生が語られています。

英国以外の国でスコッチ・スタイル(Scotch Style)のウイスキーができるのは日本だけで、そのウイスキーづくりを最初に英国に行って学んできた男の書いた本として、ウイスキー好きなら一度は読みたい本となっています。

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