バーテンダー1巻を読んで完全にハマり2巻も読んでみた。 2巻も期待を裏切らない濃密な情報と、ストーリの面白さを提供してくれる。
それでは、名言とTIPSをどうぞ。
Glass8 完璧な味
・カクテルに一番大切なのはバランス。ただし足し算ではいけない・・・かけ算にならねば意味がない ・氷のサイズを選び隙間なく詰める。軽く混ぜて氷の角を取り同時にミキシンググラスを冷やす。溶けた水は捨てる。スプーンの背は常にミキシンググラスの外側に触れ、氷の動きに逆らわずに回す。 ・ステアとは、酒の個性を殺さぬように酒を合わせ、しかも氷が溶けすぎぬように素早く混ぜること 一番大事なのはどこで混ぜるのを止めるかだ ・客に媚び、味としての完成度を目指さなくなった時、バーテンダーとしての堕落が始まる。 バーテンダーは常に客がひれ伏すような完璧な味を目指さなくてはならない。
Glass9 琥珀の夢
・親指と人差し指でバースプーンを軽く摘む。ここを支点にして中指と薬指でスプーンを前後に動かすような気持ちで回す 空のグラスの中で回してカチャカチャ音がするようじゃダメ ・ビジュー「宝石」。ジンの白がダイヤ。シャルトリューズのグリーンがエメラルド。ベルモットの赤がルビー。 ・このカクテルにはもう一つ名前がある『アンバードリーム」琥珀の夢。 ・琥珀はただの松ヤニの化石です。宝石のような輝きはない。でも数万年の時間を経て宝石とは全く違う美しさを得る。 ・その美しさって何だと思います?ここには時間が詰まっている。夢のように長い時間が・・・男と女も大事なのは同じ時間を生きることなのかも知れませんね。
Glass10 バー・ホッパー
・バー・ホッパーは多分日本だけに生息する生き物だ。一見で2~3杯30分もいれば次の店に行く。まるでバーをホップするバッタのように一晩に三・四軒は回る ・ホワイトカカオ1/3、ペパーミント1/3、生クリーム1/3、「グラスホッパー」 ・ミントリキュールのボトルの秘密。18世紀後半にこれを作ったジェット兄弟は新しいミント味のリキュールに自分たち独自の名前をつけようと必至に考えた。考えすぎてPeppermintをPippermintと綴ってしまったんです。そのためではないでしょうが最初は全く売れない。ところがボトルデザインをランプの形にした結果、味も認められて世界中で爆発的に売れるようになったんです。だからこのボトルには200年以上の間PeppermintではなくPippermintと間違ったまま文字が残されてきた ・人前で大声で泣く物が本当に悲しんでいるとは限らない。人に隠れバーのカウンターで一人泣く者が一番苦しんでいることもある
Glass11 クリスマスの奇跡
・シャンパンと黒ビール、「ブラックベルベット」 ・酒はただの液体じゃありませんから。酒に入っているのは魂(スピリッツ)です。魂だからこそ人の魂も癒すことができる
Glass12 裏切りのグラス 前編
・シェイキングの基本は氷の大きさと固さの選択、そして詰め方です。表面にきれいなフレークを浮かせるなら柔らかく小さめの氷で強いシェイクを。逆に大きな氷を使いブランデーの風味を生かして仕上げることもできます。 ・何の為のシェイクか、混ぜる、冷やす、これは誰でもわかる。でももっと大切なのは、空気!シェイカーのキャップ部分のわずかな空間が空気を含んだ細かな気泡を生み出し口当たりを柔らかくする。そして加水!氷から溶け出す水分が加わることで味全体を丸くする。 ・たった一杯のグラスでも、お客様を裏切ればバーテンダーはすべてを失うんだよ。
Glass13 裏切りのグラス 後編
・ドライベルモットは白ワインの風味を残し薬草を加えたフレーバードワイン。ニガヨモギのドイツ語ヴェルムートからベルモットとなりました。 ・シェリーはスペインを代表するフォーティファイド(アルコール強化)ワイン ・デュボネはフランスの食前酒ワインのひとつ。赤ワインにキナという木の樹皮をブレンドして樽熟成させたもの。キナは昔ペルーでマラリアの治療薬として使われた ・カクテル「バーテンダー」:ドライジン、ドライベルモット、ドライシェリーとデュボネ ・客を裏切らないこの一点において、バーテンダーは世界で最も結束の固いギルドと呼ばれているんだ
Glass14 愛のリキュール
・アレキサンダー。カカオリキュールにブランデー、生クリーム。 ・バーではカウンターのボトルを勝手に触らない ・アマレット「愛のリキュール」 イタリア・ミラノにサンタマリア・デレ・グラッツィエという協会があります。16世紀、ダヴィンチの弟子にルイーニという画家がいました。ルイーニは7年の間、近くの宿屋に泊まりながら協会に通ってフレスコ画を書き続けていました。この宿に美しい未亡人がいたそうです。ルイーニは彼女をモデルに聖母マリアを完成させ、彼女にも肖像画を贈ったと言われています。彼女は彼のために甘口のリキュールを作って贈った。それがアマレットのルーツ。 ・ゴッドマザー:アマレットにウォッカ
Glass15 錆びた心
・オールドバー。明治10年岩倉具視が欧米視察のお土産に西洋文化を代表する者として持ち帰った。以来吉田茂を筆頭に日本の保守系政治家に愛されてきたブレンデッドウイスキー。 ・追いつめられ倒れそうになっても踏みとどまる。 ・ラスティネイル:オールドーバー5にドランブイが1。 ・ドランブイ。古くからあるイギリスの酒でスコッチウイスキーをベースに蜂蜜やハーブを配合した甘いリキュール。 ゲール語で「満足すべき飲み物」。 ・バーは錆びて疲れたお客様の心を輝かせるためにありますから ・世界中のすべてがお客様の敵だとしても、バーテンダーだけは最後の味方にならなければいけない。